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マドリエ船橋中央 | 株式会社 相川スリーエフ 本社
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2026.09.29
相川スリーエフ
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雨上がりの帰り道、じゃり道の水たまりに、七色に光る不思議な膜が浮かんでいた――。昭和の子ども時代を過ごした人なら、きっと一度は見たことがある、あの懐かしい風景について書いてみました。
雨の日の帰り道、しゃがみこんで見つめた七色の水たまり。そんな記憶が、心の奥に残っている方も多いのではないでしょうか。
昭和のころ、雨が降ったあとの道には、いまよりずっとたくさんの“水たまり”がありました。舗装は今ほど整っておらず、じゃり道やアスファルト道路のあちこちが少しくぼみ、そこに雨水が溜まる。子どもたちは長靴でバシャバシャと跳ねたり、傘をさしたまましゃがみこんだりしながら、その小さな水の世界をのぞき込んでいました。
そして、そんな水たまりの中に、ときどき現れるのです。青、紫、緑、黄色、赤――まるで宝石を溶かしたような、七色の光。子どもの目には、それがまるで魔法のように見えました。
「きれいだな」 「なんでこんな色になるんだろう」
理由は分からなくても、ただ不思議で、ただ惹きつけられて、私たちはしばらくその場から動かなかったものです。
あの頃の帰り道には、いま思えばたくさんの“音”と“匂い”がありました。雨粒が傘をたたく音。濡れたアスファルトの匂い。遠くを走る車の音。ランドセルの重み。黄色い通学帽。びしょ濡れになった靴下。友だちと並んで歩きながら、意味もないことを話して、笑って、そして、道ばたの水たまりで足を止める。
たったそれだけのことなのに、なぜでしょう。大人になった今、その情景を思い出すと、胸の奥がじんわり熱くなります。きっとそこには、もう戻れない時間があるからです。家に帰れば母親がいて、夕飯の匂いがして、明日のことなんて深く考えずに眠れた、あの安心しきった時代。七色の水たまりは、ただの風景ではなく、私たちの子ども時代そのものだったのかもしれません。
では、あの七色の正体は何だったのでしょうか。
多くの場合、あれは道路に流れ出たごく薄い油分が、雨水の上に広がったものです。水の表面に薄い油膜ができると、その膜の上面と下面で反射した光が干渉し、青や紫、緑、黄色、赤といった虹のような色に見えます。いわゆる「薄膜干渉」という現象です。
いま聞くと少し現実的で、夢のない説明に思えるかもしれません。でも、子どものころの私たちは、そんな理屈では見ていませんでした。ただ、「なんだかきれいだ」「なんだか不思議だ」と感じていた。その感覚こそが、何より大切だったのだと思います。
最近は、あのような七色の水たまりを見かける機会が、ずいぶん減ったように思います。
道路の整備が進み、排水が良くなったこと。車の性能が上がり、油漏れなどが減ったこと。環境に対する意識や管理が、昔より厳しくなったこと。そうした時代の変化が重なって、あの“昭和の水たまり”は、少しずつ街から姿を消していったのでしょう。
もちろん、それは社会が良くなった証でもあります。けれど同時に、便利で清潔で整った今の街並みのなかで、私たちは何かひとつ、心に引っかかる小さな原風景も失ってきたのかもしれません。
雨上がりの帰り道、友だちとしゃがみこんで見つめた、あの七色の水たまり。
それは、ただの油膜ではなく、昭和の子どもたちの心に映った“ちいさな宇宙”だったのかもしれません。
本当に懐かしいのは、七色の水たまりそのものではないのかもしれません。
懐かしいのは、それを不思議そうにのぞき込んでいた、あの頃の自分です。まだ世界が大きくて、毎日が今より少しゆっくり流れていて、小さな発見ひとつで心が動いた時代。
たかが水たまり。されど水たまり。
あの風景のなかには、確かに昭和がありました。
もし今度、雨上がりの道を歩くことがあったら、少しだけ足元を見てみてください。
そこに昔のような七色はなくても、きっと心のどこかに、黄色い帽子をかぶった小さな自分が、そっとしゃがみこんでいるはずです。
昭和の何気ない風景は、最新の設備や便利さとは別の意味で、私たちの心を温めてくれます。窓から見える雨の日の景色や、家族で過ごした住まいの記憶もまた、住まいの価値のひとつ。マドリエは、そんな暮らしの記憶を大切にしながら、これからの快適な住まいづくりを考えていきます。
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