千葉県東金市の自然にひっそりと佇む「雄蛇ヶ池」。 風のない午後、鏡のような湖面が空を映し、 水の上には、ゆっくりと流れる時間だけがありました。 静けさの中で感じた秋の気配と、 心を穏やかにしてくれる優しい景色を記録します。 📖本文 千葉市を少し離れ、車で1時間ほど。 気まぐれにハンドルを切った先で出会ったのは、 静かに光を湛えた一枚の湖、「雄蛇ヶ池」でした。 湖の水面は、秋の空をそのまま抱きかかえるように、 柔らかな青と白を映していました。 雲が流れるたびに形を変え、 そのたびに水面もまた、新しい景色を見せてくれます。 岸辺を歩くと、風に揺れる木々の葉音と、 どこからか聞こえる鳥のさえずりが響きます。 アップダウンのある小道には落ち葉が敷かれ、 一歩進むたび、足もとから“カサッ”と小さな秋の音。 時おり差し込む木漏れ日が、 緑の中に黄金色の模様を描いていました。 陽ざしが強すぎず、風が少し涼しくて、 自然の呼吸が肌に心地よく触れる──そんな午後でした。 歩きながらふと振り返ると、 さっきまで自分がいた道が、 静かな光の中に溶け込んで消えていくように見えました。 この場所には、過去も未来もなく、 ただ“今”という時間だけが穏やかに流れています。 雄蛇ヶ池のほとりで感じたのは、 派手さではない、静かな美しさ。 心を鎮め、自然のリズムに身を委ねる贅沢なひとときでした。 🌿メモ 千葉市から車で約1時間の隠れスポット。 湖畔には遊歩道が整備されており、木漏れ日が心地よい。 午後2時〜4時頃、光の角度が最も美しい時間帯。 無理に歩き回らず、ベンチで風を感じるだけでも十分に癒やされる。