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元気の出る仕事情報誌 〔Bulls Business No.307 トップ対談より〕
私が入社5年後に経営を引き継いだとき、儲かりそうな雰囲気がなく、正直、建材販売業を続けていく自信がありませんでした。父に「整理することを前提に考えても良いか」と尋ねましたら、「最後はお前が決めても艮いが、俺は、それぞれに業種業態が違う各社の経営を通して『一人異業種交流』をしていてきたと思っている。建材販売会社があったから化学品商社として成功でき、化粧合板の製造会社があるから建材業も違った目線で経営ができた。これらを切り盛りしていくことはプラスになるよ」と言われました。 その後、私の考えが間違っていたことに気がつきました。建築業界はどうして儲からないように見えるのか、生産性が低いと言われてしまうのか。それは、お客様と一緒に仕事をすることが前提のチームビジネスだからだと。
建設の仕事はそれぞれが一品もの、現場もので、多くの別の会社が協力することでカタチにしていきます。別々の会社であることが、ゴールを共有をしにくいものにしている。だからこそ、共に仕事をするチームとしての生産性を良くする余地が私たちの仕事として多く残されている。それを私の仕事にしようと考えるようになりました。 〔お客様と仕入先様のために!〕 父からは、何度も何度も「流通成功の要諦は、良いお客様と良い仕入先様の間にあって、両者の機能をより良く肩代わりすること。それによってしか成功の道はない」と言われました。私たちの企業理念の一つである「お客様にお喜びいただける価値の創造で 【お役立ち】を果たそう」は、この考えが元になっています。 もちろん、利益が増えることは嬉しいことですが、私たちの仕事の成果は、お客様が良い方向に「変わる」ことでしか測れないと思っています。成果は常にお客様の下に起きた成功事として表現される。それを自身の仕事の証と信じて仕事をしていくような人の集まりであるような会社を目指しています。 今は「お客様が良くなるために」という姿勢が強く求められていますが、もともと卸販売の仕事にはそういった側面があります。「当社だけが良くなる」道はないのです。お客様が儲かってこその商売ですから。同時に、仕入先様がなければ、私たちの商売はできませんので、仕入先様が私たちとお付き合いいただくことで良い方向へ変わるチャンスがあると認めていただける、パートナーシップを絶対に忘れない会社であり続けたいとのです。
今まさに建材・建設業界にもIT活用のチャンスが来ています。業界の生産性向上が実現できない原因が「情報管理力・現状分析力・標準化力」であるのなら、そこに向かって仕事をすることが未来につながります。建設業の方々が課題視しながら、なかなか進められない。即ち、やっていく価値あることなんだと考えています。